ペットとして相変わらずの人気を誇るわんちゃん。
最近では元野犬である保護犬を家族に迎えるという選択肢もだんだんとひろまりつつあります。
野犬譲渡活動が一般に広く認知されるにつれ、こんなお悩みや相談が増えてきました。
- 元野犬の子を迎えてみたいけど難しそう‥
- 元野犬って人に慣れてくれるの?
- どのように接してあげればいいかわからない
元野犬の子はペットショップで売られている子たちとは少し違い、特別な心で寄り添ってあげてほしい子がたくさんいます。
なぜなら、野犬たちは人間の助けを必要とせず生きてきた自立心の強い動物であるため人を怖がり、人に心を開くまでに時間がかかる子が多いからです。
今回は現役の保護スタッフである私が元野犬の保護犬に特化して記事を作成しました。
人と触れ合ったことのない元野犬の子には特別なケアや接し方が必要です。
元野犬の子とうまくつきあうコツのひとつは適度な距離感を保つことだよ!
元野犬の子をどこからお迎えするか?
元野犬の子をお迎えする場合、主に以下のような場所で譲渡を行っています。
- 保健所
- 動物愛護センター
- 譲渡団体やペットショップ
それぞれ以下にて詳しく解説していきます。
保健所
全国の保健所では元野犬の子の新しい飼い主さんを募集しています。
保健所では迷子になった犬や元野犬の子が多く収容されており、元野犬の子はミックスの中型犬が比較的多い傾向にあります。
SNSやホームページで収容されている犬の情報を閲覧できるようになっているところがほとんどです。地域のボランティア活動をされている方々がお散歩の練習などをしている保健所もありますので、
どういう感じの性格の子なのか、ボランティアさんと相談してお迎えするのもおすすめです。
動物愛護センター
各動物愛護センターでも、新しい飼い主さんを待っているわんちゃんがたくさんいます。
こちらでもボランティアの方々が、小さな命を救うためにお世話をしてくれているところが多いです。
保健所と同じく、ホームページ等で最新情報を閲覧できるようになっていますので、ぜひ参考にしてください。
ちなみに各市町村などでは、保護した動物のお世話ボランティアを募集しているところもたくさんあるんだよ!
動物愛護などにに興味がある方はぜひボランティアもご協力お願いします!
譲渡団体やペットショップ
日本各地にある動物愛護団体や動物保護団体では、元野犬の保護犬の譲渡活動を行っているところもあります。
また、最近では生体販売を辞め、保護犬を扱うペットショップも増えてきています。
ペットショップは保健所や愛護団体などと違い、誰でも気軽に保護犬に会いにいくことができるため、初めて元野犬の子のお迎えを検討されている方にもおすすめです。
また、店員さんが日頃からお世話をされているため、その子の性格など詳しく教えてもらうこともできます。
元野犬の子を迎え入れる準備
元野犬の子をお迎えするにあたって、最低限確認しておくべき準備や、確認事項は以下の3つです。
- 脱走対策
- 生活エリアの確保
- 譲渡条件
それぞれ詳しく解説していきます。
脱走対策
元野犬の子は隙をみて、生活していた山に帰りたいという願望を強く持っています。
譲渡の条件として脱走対策の係留チェーンをお願いしている団体もありますので、譲渡条件を確認し、必要であれば必ず準備してください。
また、リードと首輪は頑丈なものを2つずつ準備しておきましょう。
一度、脱走してしまうと、飼い主の元に戻ってくる確率はかなり低いです。
なお、ハーネスは犬が後ろ向きに引っ張ると簡単に抜けてしまうため、基本的にはNGです。首輪とリードでお散歩をお願いします。
あとはケージや食器、首輪、ごはん等、最低限必要なものがとりあえずあれば大丈夫です。
生活エリアの確保
自宅のどのあたりに元野犬の子の生活スペースを確保するか決めましょう。
簡単に突き破り、脱走の可能性があるため窓際や網戸の近くなどは避けます。
また、お迎えした当初はちょっとした物音や人間をとても怖がるため、少しの刺激で脱糞してしまうことも多々あります。
汚れてもお掃除が楽で、かつ静かな場所が野犬の生活エリアとしては適しています。
完全に人間の生活スペースから隔離してしまうと、おうちに慣れるまでに時間がかかってしまいますので、飼い主の声や生活音が聞こえる程度の距離がベストです。
ちなみに野犬の譲渡金額はいままでかかった医療費を飼い主が負担するのが一般的だよ。
譲渡の金額は団体によってかなり差があるので、明細書などをよく確認してね!
譲渡条件
譲渡条件は各団体によって様々です。ある一定以上の年齢の方からのお迎えを受け入れていないところや独身の方はお断りしている団体などもあります。
まずは、譲渡条件を確認した上で、未来の愛犬を探すのもひとつの方法です。
譲渡条件をクリアできない場合は、犬の譲渡ができませんので、条件をクリアしてもらうか、別の団体から犬をお迎えすることとなります。
元野犬との距離を短くするには?
元野犬の子と距離を短くするには以下の注意点が必要です。
- 適度な距離感
- 数年単位で時間をかけてならすつもりで接する
- 飼い主がリーダーになること
それぞれ詳しく説明していきます。
適度な距離感
元野犬の子は、愛玩犬とは違い、野山で暮らしてきた野生動物です。
最初から距離をつめようとせず、お迎えしてから数週間は最低限のお世話にとどめ、できるだけそっとしておきましょう。
数週間もすれば、周りの環境にも少しずつ慣れ、警戒心が少しずつ薄くなっていくはずです。
また、完全におうちに慣れても一定の距離感を好む子もたくさんいます。
その子の性格のよって適度な距離感を保つ事が元野犬の子との付き合い方では重要になってきます。
怖いイメージを持ってる人が多い野犬だけど、基本的にはとっても怖がりさんなんだね。
もちろん色んな性格の子がいるけど基本的には怖いから攻撃的になるんだ。おとなしい子もとても多いよ。
数年単位で時間をかけてならすつもりで接する
もともとは野生動物ですから、人間との接点はほぼなしで生きて来た子がほとんどです。
先ほどもお話したように、最初から距離感をつめすぎるとかえって恐怖心を植え付けてしまい、犬に嫌われてしまうことがあります。
とりあえずは、人間は敵ではないことをわかってもらいましょう。
数年単位でおうちにならす覚悟を持ち、長い目で見てゆっくりじっくり人間と暮らすことの楽しさや喜びを教えていってあげてください。
また、おびえている犬には正面から近づかず、横から近づくようにして下さい。
飼い主がリーダーになること
元野犬の子は群れで生活していた子が多いため、グループ内のルールを理解できる賢い子が多いです。
最初はトイレに出す練習や、歩く練習からスタートになると思いますが、飼い主さんがリーダーだという事が理解できれば指示に従うことができますので、お手やおすわりなどもよく理解します。
おやつなどを上手く使って少しずつ距離を縮め、飼い主さんがリーダーであるということを認識させてあげてください。
また男性を怖がる子も多いため、慣れるまでは女性がお世話を担当する方がいい場合もあります。
まとめ
お迎えする場所は主に以下の3つです。
- 保健所
- 動物愛護センター
- 保護団体やペットショップ
どこもお世話を担当しているボランティアさんや職員さんがいるので、気になった子の普段の様子や、性格を聞いてみるのがおすすめです。
ペットショップは気軽に来店ができるため、元野犬の子を初めてお迎えする際にはおすすめです。
お迎えの準備で大事なこと
- 脱走対策
- 生活エリアの確保
- 譲渡条件
特に脱走対策はとっても大事!!事前に何度も確認しよう!!
山に逃げ帰ろうとするため、脱走対策は必須です。また、ふだんの生活場所をどこにするかも事前に話し合って決めておきましょう。ほんの少しの物音でも大変怖がるため、静かな場所が理想ですが、窓際などすぐに脱走できるような場所もよくありません。
元野犬の子との距離を短くする方法
- 適度な距離感
- 数年単位で時間をかけてならすつもりで接する
- 飼い主がリーダーになること
その子の状態を見て、適度な距離感を保ちながらゆっくりおうちにならしてあげてね。
お迎え当初は人間が恐怖の対象でしかありません。構いすぎず、最低限のお世話からスタートしましょう。
少しづつ環境に慣れたと感じたら短い距離からのお散歩練習をスタートさせるなど、コミュニケーションを取り始めます。
元野犬の子はリーダーの指示に従いますので、飼い主さんがリーダーになることも仲良くなる近道です。
危険なイメージのある元野犬ですが、実際はとても怖がりで大人しい子がほとんどです。
ぜひ犬を飼う時には、元野犬の子を家族に迎えるという選択肢も検討をお願いします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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